オヤニラミの近縁種

 その多くが海産の種であるスズキ目において、東アジアにはケツギョ科に分類される オヤニラミ属(Coreoperca およびケツギョ属(Siniperca )の純淡水産の種が生息している。

 オヤニラミ属(Coreoperca)の生息範囲は広範にわたるが、個々の種の分布は狭く、飛び石状に生息している 。このようなことから、かつて広範に生息範囲を広げたものが、次第に淘汰され、現在では遺存固有期にあたるものと考えられている。

 また、海産の種である イシナギ属(Stereolepis属)はオヤニラミ属の近縁種であると考えられている。

オヤニラミ属の分布

※参考文献:Saburo Nishimura 1967.ケツギョ類の起源と分化

国内においては、本来、本州西部から、四国、九州西部から北部にかけて分布しているものと考えられています。

※コウライオヤニラミは、国内では化石として見つかっています。

※近年、国内では本来の生息地での生息水域及び個体数の減少と、本来生息していない水系でのオヤニラミの生息が確認されています。

※東アジアにおけるオヤニラミ属の分布は、より広範に飛び石状に分布しているようです。

※オヤニラミ属(Coreoperca)とケツギョ属(Siniperca)は、シノニムの存在等、混同されてきた経緯があります。

Coreoperca属(オヤニラミ属)

 オヤニラミ属は、ケツギョ属と混同されてきた経緯もあり、現状においては、オヤニラミ(Coreoperca kawamebari)を含む3種になるものと思われる。なお、ヨウコウオヤニラミ(Coreoperca yunkiansensis)については、Coreoperca loonaCoreoperca obscura とともに、Siniperca obscura とされるものと考えられる。

◎ナンシオヤニラミ(南支親睨)中文名:中國少鱗鱖

 スズキ目ケツギョ科オヤニラミ属 Coreoperca whiteheadi 18〜25cm

 中国南方の海南島や広西省、貴州省 およびベトナムにかけて生息するオヤニラミで、エラぶたの暗緑色の班紋はない。

 3〜4本の紫色を帯びた褐色の帯があり、目を中心にエラぶたにかけて放射線状に暗褐色に線が入る。また、背ビレ、尻ビレ、尾ビレにも同様の縞模様を有している。現地では食用にされている。

◎コウライオヤニラミ(高麗親睨)英名:Korean aucha perch 中文名:朝鮮少鱗鱖

 スズキ目ケツギョ科オヤニラミ属 Coreoperca herzi 20〜30cm

 朝鮮半島に広く分布している固有のオヤニラミで、日本産オヤニラミと比較すると、目はやや小さく、体高は低く、側線鱗が多く、頭部はやや大きい。10cm以下の場合、日本産オヤニラミとは見た目の違いはほとんどないが、大きくなるにしたがい、細かい白いスポットが現れ 、縞が不明瞭となる。砂礫や転石、岩場の多い清流を好むようであり、やや物陰に潜む傾向が強い。

 成魚は、日本産のものと比べるとかなり大きくな り、30cmを超えることもある。ルアーフィッシングなどの対象魚ともなっている。

 卵は3mm程度で、岸近くの浮石 や岩の下面などに産み付ける。飼育法については、オヤニラミと同様である。

※情報提供 コウライオヤニラミ 丸湖商事

Siniperca属(ケツギョ属)

 ケツギョ属は、日本国内には生息していないが、ケツギョやコウライケツギョは鑑賞や養殖を目的に輸入される。オヤニラミ属と混同されてきた経緯もあり、現状においては8種程度が知られている。

◎ケツギョ(桂魚)英名:Chinese perch 中文名:

 スズキ目ケツギョ科ケツギョ 属 Siniperca chuatsi 60〜70cm

 一般にケツギョという場合本種を指す。中国大陸特産の淡水魚で、幼魚はオヤニラミと雰囲気がよく似ている。 体色は暗黄色かオリーブ色を帯びた褐色を呈し、眼を横切る紅色帯がある。白身のおいしい魚で、中国ではめでたいときの料理に使われ、コイ、パイユーとともに三名魚といわれる。

 湖沼や河川の流れの緩やかな場所を好み、夜行性で昼間は岩陰や水草の中に潜み、暗くなると活動を始める。主に魚類や甲殻類を捕食する。繁殖期は5月から7月で、雨で増水すると群れを形成し夜間に産卵する。卵は1.5mmほどの分離浮遊卵で、下流に流されながら約1週間で孵化する。仔魚の頃から魚食性を示し、自分よりも大きな他種の仔魚を捕食する。1年でおよそ20cmに育ち、ほぼ3年で成魚となる。

 小魚などを捕食する際には、水底にその平たい体を横たえてゆっくりと近づき、至近距離となると猛然と襲いかかり捕食する。

 飼育法については、概ねオヤニラミと同様である。

※情報提供 ケツギョ 茨木観魚園

ケツギョ(幼魚)

2001.8.12(※宮崎県出の山淡水魚展示館)

◎コウライケツギョ(高麗桂魚)中文名:斑鱖

 スズキ目ケツギョ科ケツギョ属 Siniperca scherzeri 20〜30cm

 朝鮮半島から中国、ベトナムにかけて生息する。外見はケツギョに似るが、頭部や体表に黒班が入る。

 砂礫質の瀬に産卵し、仔魚は砂利の中で孵化する。食用にされる。

中文名:麻鱖

 スズキ目ケツギョ科ケツギョ属 Siniperca fortis

◎オオメケツギョ(大眼桂魚) 中文名:大眼鱖

 スズキ目ケツギョ科ケツギョ属 Siniperca kneri

 外見や生態はケツギョに似るが、眼が大きく、やや頭部が長い。

 ケツギョに比べて成長が遅い。食用にされる。

中文名:柳州鱖

 スズキ目ケツギョ科ケツギョ属  Siniperca liuzhouensis

◎アンケツギョ(暗桂魚) 中文名:暗鱖

 スズキ目ケツギョ科ケツギョ属 Siniperca obscura 16cm

 体色は暗褐色で、明瞭な帯を有していない。ヨウコウオヤニラミは本種に含まれるものと思われる。

中文名:波紋鱖

 スズキ目ケツギョ科ケツギョ属 Siniperca undulatus 15cm

 体色は暗褐色で、頭部から尾に向かって波状の縞が入る。

Coreosiniperca

 Coreosiniperca属は1種が知られている。

中文名:長身鱖

 スズキ目ケツギョ科Coreosiniperca属 Coreosiniperca roulei 20cm

 体型は細長く、頭部は長い。体色は暗褐色で、黒斑が入る。

 長江以南の中国東部の渓流に生息し、分布域は広範であるが、残存的に生息し、その生息数は少ない。

 

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